当院の鍼灸治療について中国伝統医学に基づいた心と身体と生命のトータルケア
はじめに
当院では東洋医学、なかでも中医学(=中国伝統医学)を主体とした鍼灸治療を行っています。
具体的には現代中医学を理論ベースに、日本の伝統的な鍼灸技術の優れた点を融合させて、少数鍼(1~2ヵ所)によって治療するのが特徴です。
東洋医学は体の一部分を切り離して診ることはありません。
東洋医学が注目するのは“流れ”です。全体を観て滞りのない身体を目指す医学です。
それは私たちを取り巻く“宇宙”を基にした考え方です。大気や水が空や大地を巡り、個々の生命体を営んでいます。人もまた同じです。体内に流れるエネルギーが滞りなく流れ、内臓や関節の働きを営んでいます。この流れに異常が生じた際に、それを正常にするのが東洋医学の考え方です。
当院の診断法および鍼灸治療
初診時は、病の根本原因を究明するため、問診のほか、舌・脈・お腹・背中・手足のツボの状態などを総合的に診察させていただきます。そのため初診時は、診察及び鍼灸治療が終了するまで
約2時間
かかります。2回目以降、初診時のような問診はなくなりますが、お身体の状態を詳しく診させていただくため、
約40分
かかります。
少数鍼
また、身体全体のバランスを整える鍼が中心のため、基本的に鍼をする経穴(ツボ)は
1~2ヵ所
に絞られます。
これは、鍼数が多いと1本1本の鍼の作用が弱まってしまって
効きが悪くなるためです。
また、治療効果の判定、分析がしやすくなることも、
その理由です。
患者さんの身体の状況によっては、打鍼、古代鍼などの刺さない鍼(接触鍼)も使用します。
鍼灸の適応疾患
当院の治療は身体の
“流れ”を整える鍼
が主となるため対象疾患は全科となります。
適応症については、WHO(世界保健機構)が、1996年に49疾患を発表しています。WHOのリストに基づき適応症を分類しましたので、ご参考にしてください。ただし、中医学は病名に対しての治療ではなく
随証治療(身体の“流れ”を治す治療)
ですので、下記に記載した病名以外でも大いに適応になることもあります。
いずれにしても一度ご相談いただけたらと思います。また特定の疾患がなくても鍼灸治療は
リラックス効果
もあります。
はっきりとした症状がなく
『疲れをとりたい』、
『疲れやすい体質を改善したい』
という方もどうぞご来院ください。
WHO(世界保健機構)による適応疾患 |
分類番号 |
分類名 |
疾患名 |
1 |
神経系疾患 |
神経痛、神経麻痺、痙攣、自律神経失調症、神経症、心身症、脳卒中後遺症、頭痛、不眠症、眩暈(めまい)、肩こり |
2 |
運動器系疾患 |
関節炎、関節症、肩関節周囲炎(五十肩)、関節リウマチ、筋・筋膜炎(筋肉リウマチ)、頚筋強直、頚肩腕症、むち打症、捻挫、腱鞘炎、腰痛症、外傷の後遺症 |
3 |
循環器系疾患 |
心悸亢進(心臓神経症)、高血圧症、低血圧症、動脈硬化症、動悸、息切れ |
4 |
消化器系疾患 |
口内炎、舌炎、歯痛、胃腸炎、胃アトニー、胃下垂症、胃酸過多症、胆石症、肝機能障害、肝炎、十二指腸潰瘍、下痢、便秘、痔疾患 |
5 |
呼吸器系疾患 |
風邪(カゼ)、風邪(カゼ)の予防、咳嗽(せき)、鼻炎、扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、気管支炎、気管支喘息 |
6 |
泌尿器系疾患 |
ネフローゼ、腎・尿路結石、膀胱炎、尿道炎、前立腺肥大症、陰萎症、遺精、性機能障害 |
7 |
内分泌系疾患 |
尿崩症、バセドウ病、糖尿病、橋本病 |
8 |
新陳代謝疾患 |
貧血、脚気、痛風 |
9 |
皮膚科疾患 |
皮膚炎、蕁麻疹、ヘルペス、肝斑(しみ)、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎 |
10 |
産婦人科疾患 |
不妊症、月経不順、生理痛、冷え性、更年期障害、妊娠悪阻(つわり)、胎位異常(逆子)、乳腺炎、乳汁分泌不全 |
11 |
小児科疾患 |
疳の虫、夜啼症(よなき)、夜尿症、自家中毒症、小児喘息(ぜんそく)、虚弱体質 |
12 |
眼科疾患 |
仮性近視、眼精疲労、眼瞼縁炎(ただれめ)、麦粒腫(ものもらい)、結膜炎、フリクテン、弱視、涙管炎 |
13 |
耳鼻科疾患 |
耳鳴り、難聴、メニエール病、鼻炎、中耳炎、鼻出血(はなぢ)、副鼻腔炎(蓄膿症) |
当院の鍼灸治療に対する考え
当院は、
身体のアンバランスを整える(=“流れ”を整える)
ということを主眼としています。
そのため、例えば『肩が痛いからといって肩に鍼をする』という一時的な効果を目的とした『慰安鍼』ではありません。
当院の鍼灸治療は一時的なものではなく、徐々に、そして確実に根本的なところからなおしていく
『医療としての鍼』(=『治す鍼』)
にこだわっています。そのために、時間をかけて問診をしたり、体を詳しく調べたりして、「証」(身体がどのようにバランスを崩しているかという東洋医学的な診断)を導き出して施術するのです。
治療料金一覧 |
対象 |
治療費 |
初診料 |
大人 |
4,000円 |
5,000円 |
高校生 |
3,500円 |
4,000円 |
中学生 |
3,000円 |
3,500円 |
小学生 |
2,000円 |
3,000円 |
0歳から幼稚園 |
1,500円 |
2,500円 |
※初診時は、「初診料+治療費」をご持参ください。
※最終治療日より
6ヶ月以上
経過した場合、再診料として
2,000円
頂きます。
※最終治療日より
1年以上
経過した場合、
初診扱い
とさせて頂きます。
診療日および診療時間
平日(月~金) |
土・祝 |
日 |
11:00~15:00 |
11:00~20:00 |
定休日 |
20:00~ |
※
完全予約制
とさせて頂いております。事前のご予約をお願い致します。
※上記時間帯が困難な場合はご相談ください。
使用する鍼や灸について
当院で使用する鍼は、すべて
ディスポーザブル(使い捨て)
なので、肝炎、エイズ等への感染の恐れはありません。その他の器具などはオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)で滅菌していますのでご安心ください。
また基本的に日本の鍼(中国鍼に比べ短く細い)を使用しますので痛くありません。そのほか、
打鍼
や
古代鍼(小児はり治療に良く使う)
など
刺さない鍼
(接触鍼
という)
も状況に応じて使用します。
鍼の種類一覧 |
毫鍼
(ごうしん) |
|
ステンレス製の鍼で、ディスポーザブル(使い捨て)です。中国鍼に比べ短く細いのが特徴です。短い方から短鍼の2番(太さ0.18mm×長さ10mm)、奇経鍼の5番(0.25mm×20mm)、1寸6分の5番(0.25mm×49mm)などがあります。その他、奇経鍼の3番、8番、1寸3分の2番、1寸1番の鍼などを使用しています。 |
古代鍼
(こだいしん) |
|
接触鍼のひとつ。小児や鍼に敏感な人などに多く用います。漢代の劉勝墓から発掘された埋葬品のレプリカをもとに作られています。
※刺さない鍼のため痛くありません。
小児はり治療などでよく使います。 |
打鍼
(だしん) |
|
もともとは日本の鍼灸古流派である夢分流などで使っていたもの。打鍼法は日本独自の鍼法です。
※刺さない鍼のため痛くありません。
|
棒灸
(ぼうきゅう) |
|
もぐさを硬く棒状にして紙で巻いたものです。
棒灸に火を付け皮膚(つぼ)から3~5センチほど離して使用します。
|
受診時の注意事項
鍼灸治療を受けるにあたり、注意していただきたいことが何点かございます。
治療効果をあげるために、
必要な注意事項
ですので治療を受ける前に必ずご確認ください。
- 中医鍼灸治療室は予約制ですので必ず
℡:072-991-3366
まで、事前にご予約をお願いします。
また
直前のキャンセルは
他の患者様のご迷惑
になりますのでご遠慮ください。
- 鍼灸治療前30分は飲食を控えてください。
特に、コーヒー・カレー・あめ玉などの舌に色がつく食べ物は避けてください。(正確な
舌診
ができないため)。
- 女性の方は当日お化粧をできるだけ薄くしていただき、マニキュアは落としてご来院ください(
顔色や
爪の状態
を診るため)。
- 問診表に沢山記入して戴きますので、老眼鏡など必要な方は必ず持参してください。
- 初診の際、現在服用中のお薬、漢方薬、健康食品、サプリメントなどをお持ちくださるか、成分などをメモして(処方箋でも結構です)ご持参ください。
-
予約時間の
5~10分程度前
に、余裕を持って来院してください。治療前に呼吸を整えることにより、より正しい診断に繋がり、治療効果があがります。また、遅刻されますと十分な治療時間が確保できません。
- 着衣は脱がなくて結構です。腹部と背部、膝から足首まで、肘から手首までを毎回診察します。(ワンピース、ボディスーツは避けてください。)
- 施術が終わった後は、2時間ほどできるだけ
安静
にし、施術の効果が身体に染み込むようにしてください。 当日の入浴、飲酒はできる限りお避け下さい。
- 身体の状態にもよりますが、最初は出来れば
週2~3回
、少なくとも
週1回
の来院をおすすめいたします。